苦難を乗り越えて成長
株式会社 鈴木電工 代表取締役
鈴木 武揚氏
電気工事業界一筋の道を歩み、念願の独立。
主にキュービクルのリユースを手掛け、従業員が安心して快適に働ける会社を目指しています。
再生キュービクルに着目
当社は電気工事に携わる中で、主力業務としてキュービクルの設計、製作、施工、買い取り、販売などを行っています。キュービクルとは正式にはキュービクル式高圧受変電設備といい、発電所から送られてくる6,600Vの電気を、一般に使える100Vや200Vの電気に変圧する機器をロッカーのようなケースに収めたものです。コンビニや大型店舗の屋外など、さまざまな施設に設置されています。
私たちが特に力を入れているのが、キュービクルのリユース商品。中古のキュービクルを買い取り、中の部品をイチから組み直し、塗装も新たに仕上げて、安心安全なキュービクルとして生まれ変わらせます。最近はコロナ禍の影響でパーツ不足になり、キュービクルの新規生産がストップし、再生キュービクルの需要が高まっています。
苦労続きのゼロからのスタート
私は20歳の頃から電気工事の職につき、数社に渡ってキャリアを積んできました。その中の一社で再生キュービクルの設計製作を手掛けるうちに、その作業のおもしろさに目覚め、自分自身が納得できる品質の製品を作りたいと思うようになりました。それが独立したきっかけです。
とはいえ、私は根っからの職人で、経営に関する知識もなく、開業準備の手続きはすべて妻任せ。看護師だった妻が関係機関を奔走して、さまざまな申請を行ってくれました。その間私は得意先を開拓しようと知人を訪ねたり、飛び込み営業をしたり…近畿圏はほぼ回ったと思います。退職した会社のツテは頼らず、まさしくゼロからのスタートでした。
金融機関を回り、融資の審査のために計画書を作るなど、資金集めも初めてのことばかりで、審査が通らず落ち込んだことも…。最終的に何とか借り入れができてホッとしました。
ホームページが苦境を救う
2017年8月、苦労の末に開業しましたが、実はその後も半年ほど仕事が入らず、苦境が続きました。従業員への毎月の給料の支払いはあるし、廃業も頭をかすめたほどです。状況が好転したきっかけは「ホームページを見た」という問い合せがあったこと。ホームページの効果を実感し、その後は請け負った工事の事例を写真で紹介して、現場の様子を具体的に伝えるようにしました。気がつくとポツポツと仕事が増え、一息つける状態になっていました。
「お客様はリアルな情報を求めている。事例を掲載することで信用が高まり、会社の実態を知ってもらえる」今ではマメに情報を更新し、ホームページの充実を図っています。闇雲に顧客開拓をするのではなく、いかに実のあるアプローチをするか…情報の中身を精査する大切さを身にしみて感じます。
顧客ニーズを満たす最適の提案を
キュービクルに対するお客様の要望はさまざまです。中古のパーツを活かして価格を抑えたい場合もあれば、ケースは中古でも中のパーツは新品にしてほしいという注文もあります。私たちはできる限り詳しく話を伺い、予算に合わせて最適の製品を提案します。再生キュービクルの在庫で対応できない時は新品の製品を仕入れることもあります。こうして自分なりにあれこれ工夫できるところがこの仕事の醍醐味で、とてもやりがいを感じています。「例え中古であっても、自分の技術でパーツを組み直して、リーズナブルで高品質、完成度の高いキュービクルをお客様にお届けしたい」という思いはこれからも変わりません。 最終的には自社ブランドのキュービクルを世に出したい、そんな夢も描いています。
従業員のために働く環境を整備
事業を続ける上で大切にしたいことは、自社の従業員のことを常に考えた経営を心がけることです。電気の現場は何より安全第一、何トンもある製品を扱うため事故防止への配慮は不可欠です。従業員が安心して作業に取り組める職場環境を整えることに加え、技術面では丁寧でわかりやすい指導を心がけています。当社には未経験の従業員もいますが、まっさらな状態で「鈴木電工」の技術を吸収してくれるので、育てる楽しみがありますね。福利厚生にも力を入れ、コミュニケーションを良くして、風通しのよい職場を目指しています。従業員が長く勤めてくれて、「この会社に入ってよかった」と思ってもらえる会社にしたいですね。
高圧電気工事・一般電気工事
創業年月:2017年8月
創業までの準備期間: 2ヶ月
所在地: 大阪府大阪狭山市今熊7-332-1
URL: http://www.suzuki-denko.jp/
Instagram: @suzuki_denko
twitter: @suzuki_denko